市販の消炎鎮痛剤を手軽に使っている方も多いことでしょう。私も筋肉痛や肩こりが酷いときには「身体によかれと思って」使っていました。
しかし、消炎鎮痛剤に使われる成分「インドメタシン」などは交感神経にして筋肉を緊張させることを知ってからは、まったく使わなくなりました。(※消炎鎮痛剤が悪いということではありません)。
◎身体が修復されるメカニズム
健康を維持する「自律神経」。正反対のはたらきをする2つの(交感神経・副交感神経)神経からなっていて交互にバランスよく働いて健康を維持します。
□交感神経・・・活動中やストレスを受けたときに働く神経。主な役割はすぐに反応・活動できる状態にすること。筋肉は固くなって血管が縮むので心拍数があがり、心臓に負担がかかります。身体が冷えます。神経は鈍くなって、痛みを感じにくくなります。
□副交感神経・・・休息中に働く神経。主な役割は体の修復をおこなって健康な体に戻すこと。筋肉はゆるんで血管がひろがるので酸素・栄養・体温が流れやすくなり、心拍数も落ち着きます。神経は少し過敏になるので痛みを感じやすくなります。身体が回復するのは副交感神経のおかげです。
例 )
マッサージをされて筋肉がゆるんで眠たくなるのも、
お風呂に入って体がほぐれると、疲れがとれやすくなるのも、好きな友達と長時間一緒にいても、あまり疲れないのも、副交感神経のはたらきです。
◎身体を修復するのは副交感神経
体を修復するのは、副交感神経のはたらきです。
筋肉がゆるんで、酸素や栄養がたくさん運ばれて、新陳代謝と修復が促進される。さらに、体温も運ばれてくるので、体内酵素のはたらきも活発に。筋肉痛の時など、その部分が熱くなっているのを感じますよね。これは、体温をあげて酵素を活発化させて代謝(修復)を促進させる体のしくみです。筋肉痛を感じるのも、副交感神経になって神経が過敏になっているため。
「悪化」ではなく「修復中」のサインです。
しかし、安易に消炎鎮痛剤 を使ってしまうと・・・
◎痛みがラクになる代わりに・・・
消炎鎮痛剤はストレス・緊張モードである“交感神経”にしてしまいます。筋肉はかたく、酸素・栄養・体温は流れにくくなり、体の修復は進まなくなってします。なのになぜ消炎鎮痛剤は使われるのか?
それは「痛みを感じにくくするため」。痛みを治すのではなく“麻痺(まひ)”ですね。例えばケガをしていても何かに集中しているとあまり痛みを感じない、といった状態と同じです。
消炎鎮痛剤の目的は、素早く回復させることではなく痛みを感じにくくさせること。「症状をおさえること」を消費者が求めていることだからですね。消炎鎮痛剤が悪い、とは思いません。あまりにつらい時には、症状をおさえられればラクになります。問題なのは使い続けてしまうこと。
使い続けると症状が慢性化してしまう可能性があります。いつも筋肉が固い状態になって、体が持つ修復力がはたらかなくなる。
※「ちゃんと塗っているのに肩がこる」ではなく、
※「ちゃんと塗っているから肩がこる」ということになりかねません。よかれと思ったのに、これでは悪循環ですね。
消炎鎮痛剤も、はたらきを理解した上で使えば、とても助けになります。そして、ある程度おさまったら、体をゆるめるものを取り入れるようにしてください。体を元気にするには、筋肉をゆるめることが一番大切です。身体をゆるめて体の持つ回復力を引き出して、心地よい毎日を過ごしましょう!